法科大学院ガイド

同志社大学法科大学院
私立(共学)京都 ドウシシャダイガク

司法試験合格者メッセージ

条文、法制度趣旨、判例規範を掘り下げて修得。法律効果発生要件と事実認定の理解が大切です。

●安達貴大さん(第70期司法修習生)
同志社大学法科大学院 既修者コース2016年3月修了

私は、大学入学前までどちらかと言えば消極的な性格でしたが、法律サークルに入ったことがきっかけになり、その性格が一転しました。それまではできるとは思っていなかった、人前での研究結果発表やサークル局長の役割ができるようになったのですが、それは法律サークルの友人たちが私を支えてくれたからにほかなりません。このような私自身の経験を踏まえて、人の人生を良い方向に変えられる仕事に就きたいと思うようになり、法曹を目指すことにしました。
同志社大学法科大学院で学ぼうと思ったのは、学費が全額免除になるなどの奨学金制度が充実していたことや、各分野の第一線で活躍する実務家教員をはじめ指導に熱心な先生が多いこと、24時間利用できる自習室などの施設が充実していたからです。少人数制授業の下で、しっかり学べば、司法試験合格は遠くないと感じました。

難しい概念でも、分かりやすい解説を受けられる授業。
なぜ裁判所は新たな規範を示したのかを通して、法律を深く理解。

既修者コースで2年間学んで感じたことは、難しい法律概念でも、分かりやすく、しかも丁寧な解説を受けられる授業が多かったことです。条文や判例を表面的に覚えさせるのではなく、事案に含まれる事実関係を精査し、条文や判例をどのように当てはめるべきかを多面的に検討する授業により、条文や判例規範を正しく理解することができました。実体法では、事案内容は条文や判例規範の効果が発生する要件を満たしているのか、なぜ裁判所は新たな規範を示したのかなど、法理論を実務に即して生かせる力が身につくように授業が工夫されています。
併せて、事実をどのように認定するべきか、事実認定の理解も重視した授業であったため、実務で役立つ総合力を身につけられたことが司法試験合格につながったと感じています。特に、司法試験の論文式試験では、未知の問題に対する、適切な法的解決策を示す力が求められるだけに、既修2年次の「総合演習」で身につけた、基礎知識と思考力から未知の問題でも法的解決策を導き出せる力が役立ちました。
法律実務により近い所で、実践力を養う科目群としては実務関連科目があります。学生が検察官役、弁護人役、裁判官役のグループに分かれて裁判手続きを刑事法に即して運営する「刑事模擬裁判」は、刑事法を実務的に使いこなせる力を身につけることと、理論の理解を一段と深めることにも役立ちました。また、私は証人役を務めたことから、証人が感じる緊張感や事前準備通りに答えることの難しさなどを体験することができ、机上の学修では得られない実践感覚も身につけられました。「クリニック」や「エクスターンシップ」では、法律実務の現場で弁護士が事案解決に向けて、どのように取り組むのか、事例問題を解くのとは違う現場感覚を身につけることができ、法的解決策を導く幅を広げることができました。

各法分野に関する基本的知識を固めることが大切。
司法修習後は、社会を良い方向に導く弁護士として活躍したい。

司法試験に合格した今、改めて感じることは、各法分野に関する基本的な知識を徹底的に固めることの大切さです。最も基本となる条文について法制度趣旨を含めて深く理解することや、重要判例の規範について射程を含めて理解すること、実体法上の効果を発生させる要件について正しく理解することが重要です。特に、細かい論点を覚えようとするのではなく、典型的な判例について、事案内容が変わっても、適切な解決策を導き出せる法理論を構成できる思考力を身につけることが大切になります。
司法修習後は、研鑽を積むことで、人の人生を良い方向に導き、社会を良い方向に導くことができる弁護士になりたいと思っています。

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