法科大学院ガイド

早稲田大学法科大学院
私立(共学)東京 ワセダダイガク [PR]

司法試験合格者メッセージ

授業をベースとし定期試験に備える学修で、司法試験に在学中合格。
法的知識と思考力の基礎をしっかりと固めることができました。

●有水志帆(ありみず しほ)さん
早稲田大学法科大学院 3年(法学既修者入学)
※司法試験在学中受験資格を得て、2023年の司法試験に合格(取材:2023年12月)

学で何を勉強したいのかと高校生の時に考えた結果、それは法律だと思い、早稲田大学法学部に入学しました。私が法曹を本格的に目指そうと思ったのは、5年一貫型の法曹コースが入学した年に開設されたことから私も挑戦してみようと思ったからです。法学部1年次に履修した「法曹の仕事を知る」といった科目を通して、弁護士や検察官の仕事内容や社会的な役割などについて実務上の話も交えて知ると興味が高まりました。
早稲田大学法学部の法曹コースは、早稲田大学法科大学院と連携した体系的・効果的な一貫教育プログラムを履修でき、1年次から司法試験科目の公法、民事法、刑事法を学ぶことができます。特に印象に残っている科目は3年次に履修した「応用刑事訴訟法」で、予め示された課題の答案を提出し、その答案内容について授業中に先生がなぜそのように考えたのかについて学生に質問を繰り返す形式がとられ、関連する条文や判例なども含めて、刑事訴訟法を理解することができました。少人数だったこともあり、法的な思考力が鍛えられたと感じています。また、好きだった科目は刑法で、ゼミでも履修しました。刑法の面白さは、事案解決に向けて理論的に詰めていくところにあり、当てはめる学説によって異なる結論が導かれることについて議論しあったことをよく覚えています。
一定の条件を満たし法曹コースを修了すると同時に3年次卒業制度を組み合わせることで、法曹コース修了者に出願資格がある特別選抜入試を受験し、早稲田大学法科大学院の既修者コースに入学しました。

アカデミック・アドバイザーからも受けられる手厚い指導。
法科大学院では予習に力を入れ、復習を定期試験前にしっかり行いました。

法学既修者として入学したため、授業は2年次からのスタートとなりました。2年次には、法律基本科目の応用を学ぶ「憲法総合」「民法総合」「刑法総合」「行政法総合」「民事訴訟法総合」「刑事訴訟法総合」などの科目が配置され、講義だけではなく、課題に対する学生への質問が増えます。例えば、法律の原理や原則をより正しく理解するために、小設問から構成される課題に対する条文や判例などを調べて授業に臨み、授業では学生にそれらを確認した上で、どうしてそのような制度になっているのかについて先生が掘り下げて解説するといったような授業スタイルもあります。そのため学部時代はどちらかと言えば復習に力を入れていましたが、法科大学院では予習に力を入れ、復習は定期試験前にしっかり行うといったような学習スタイルに変えました。授業をより実りのあるものにするためには、予習という事前準備が欠かせないと思ってのことです。
司法試験の選択科目に対応する科目として労働法を選択し、2年次に基礎を固め、3年次春学期に「労働法演習」を履修して、実践的な応用力を身につけました。「労働法演習」は2コマがワンセットになっており、1コマ目が事例問題を解き、2コマ目に添削された答案の返却と解説といったスタイルです。また、早稲田大学法科大学院を修了した弁護士が務めるアカデミック・アドバイザーや司法修習生が務めるチューターからも手厚い指導を受けることができ、大変役立ちました。
併せて3年次春学期から「民事訴訟実務基礎」「刑事訴訟実務基礎」などの実務系基礎科目で実体法と手続法を融合的に学び、法律基本科目で学んだ知識を実践力へと高めました。「民事訴訟実務基礎」では裁判手続の流れと要件事実などの理解度を深め、「刑事訴訟実務基礎」は逮捕状や取調調書などの資料も付帯された事案を基に、刑事模擬裁判を学生が裁判官、検察官、弁護人の役に分かれて運営してみる授業ですが、私は弁護人役を務め、検察官の請求に対して証拠と法を基にどのように反論すべきかについて思案を重ねました。

法制度主旨や原則などの法律の基礎を応用する法的思考過程を定着させることが大切。
法曹になってからも多くのことを学び続けたい。

2年次が修了する3月末までに授業で扱った全範囲の復習を終え、3年次が始まる4月からは事例問題を検討する演習形式の授業についていくように努めました。授業をベースとし定期試験に備える学修の延長線上に、7月中旬に実施される司法試験があったというような感じです。
司法試験への備えとしては、基礎をしっかりと固めることが大切だと感じています。細かい部分の暗記にこだわらず、法科大学院で学んだ法制度主旨や原則などの法律の基礎を応用する法的思考過程が定着していれば、そんなに不安になることはないと思います。
3年次の夏休み期間にエクスターンシップに行き、実際に弁護士の仕事を自分の目で確かめたり、秋からリーガル・クリニックの授業を通して法律相談に応じることで実務の難しさを感じたりしています。さらに、将来に備えて、司法試験科目以外の法律科目も履修しています。現時点で、法曹三者のうち、どの道を選ぶかは決めていませんが、弁護士であれば、困ったことが生じたときに相談したいと思ってもらえるように、多くのことを学び続ける弁護士でありたいと思っています。

PAGE TOP