全国大学院特集

早稲田大学大学院 会計研究科
私立(共学) ワセダダイガクダイガクイン

修了生メッセージ

理系知識も併せ持つ
会計スペシャリストを目指して大学院に入学。
クライアントの企業価値向上に貢献したい。

早稲田大学大学院
会計研究科 会計専門コース(専門職大学院)
2020年3月修了
●厚見 智德 (あつみ とものり)さん
大阪市立大学(現・大阪公立大学)理学部化学科在学中に簿記1級を取得し2018年3月卒業、同年4月早稲田大学大学院会計研究科会計専門コース(専門職大学院)入学。18年12月に公認会計士試験短答式試験合格、19年8月に同試験論文式試験合格。2020年2月、EY新日本有限責任監査法人に入社。2020年3月、同研究科修了。2023年4月、公認会計士修了考査合格。

幅広い業界や業務を対象にする
公認会計士に魅力を感じた

 大学時代に理学部で化学を専攻していた厚見さんの周りでは、理系大学院に進んだ後に企業に就職する道を選ぶ人が大半だった。
 「私も理系大学院に進学したいという思いがあった一方、公認会計士の職業にも興味を持っていました。範囲の狭い領域で専門性を生かすのではなく、幅広い業界や業務を対象にする公認会計士の専門性の高さに魅力を感じていたからです。大学4年次に日商簿記検定1級を取得していたことも自信となり、会計大学院に進学し公認会計士を目指そうと考えました。
 早稲田大学大学院会計研究科を志望したのは、『高潔な倫理観と高度な専門知識をもって問題解決にあたるアカウンティング・マインドを有して社会貢献できる人材の養成』という理念に深く共感したことと、充実したカリキュラムや講義内容・教授陣、公認会計士試験の高い合格実績が理由です。教授陣には公認会計士試験委員を担当されていた方や会計基準の作成に携わっている方もいて、会計の基本原理や大切な理念を学ぶことができました。私のような理系学部出身者でも大学院在学中に公認会計士試験に合格できたのは、基礎から応用、実務までを体系的に学べ、着実に知識を定着させることができたおかげだと感謝しています」
 同研究科は、『会計+1(プラスワン)』や『アクチュアリー+1(プラスワン)』のコンセプトのもと、ICT・コンサルティング、データサイエンス、税務、Professional Communicationといった多彩な分野にわたる科目を配しており、これが修了生の活躍のフィールドを広げている。
「会計の専門知識の修得に加えて、隣接する専門領域を深く学べることは、自分の得意分野と広い視野を身につけることにつながります。私はニーズの高まりが予想される事業再生実務や、保険数理の基礎となる統計学などを修得しました。事業再生については、豊富な実例を通してその理論と実務、再生成功のためのポイントが理解できました。
 また、グローバル化する企業が増える中で導入の機運が高まるIFRS(国際会計基準)に関しては、日本基準との相違について検討やプレゼンテーションを通じて理解を深めると同時に、批判的な分析や問題点の検討、他のテーマとの関連、改訂やその方向性の是非について検討を重ねました。IFRSの知識とその生かし方を学べたことが、現在の仕事においても貴重なベースとなっています」

化学産業などの企業を担当
開示書類の適正性の確認が重要

 厚見さんは、現在、EY新日本有限責任監査法人に勤務し、主に化学産業をはじめとする国内企業の金融商品取引法監査と会社法監査の実施に携わっている。
 「会社法監査の主査として、監査計画の立案から実施まで行っています。化学産業界の企業は製造業の中でも高い出荷額を占め、国外にも生産拠点を持つことから、世界的な市場変動の影響を受けやすい傾向にあります。さらに、カーボンニュートラルや廃プラスチックのリサイクルといったサステナビリティにも取り組んでいます。これら特徴的な会計上の論点が多岐にわたるため、法定監査対象の開示書類の適正性の確認が重要になります。大学時代に得た化学分野の知識と会計専門職大学院で得た知識を発揮して、企業から信頼されるビジネス・パートナーに成長していきたいと思っています」
技術の進化やグローバル化を背景に、会計監査の世界でもデジタル技術を駆使した高度なサービスが求められている。厚見さんも時代の変化を踏まえて、未来に向けて取り組んでいる。
 「私が勤務する監査法人では、GradLabという若手職員からデジタルリーダーの育成を目的とした選抜型プログラムが2020年からスタートし、デジタル技術による新たな価値の創造を探求しています。私もそのメンバーとして、AIを使用したアナリティクスツールや自動化ツールを学習し、監査の深化や品質向上といった点で監査チームや監査クライアントに貢献できるよう努めています」

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