法科大学院ガイド

司法試験合格に結びつく「法科大学院での学び方」

法律問題の解決策を自分で考えられる力の養成が目標

グローバル化の進展などにより社会や経済環境の変化が著しいなか、法的紛争もその内容が変質している。法曹には、法的知識や専門知識を駆使して、前例のない紛争を解決していくことが広く社会から望まれている。そのためには、法的紛争事案の事実把握力、解決へ導くための柔軟な法的論理力、また高い倫理観を養っておかなければならない。
それゆえ法科大学院の教育は、厳しい。大学本来の単位制を生かし、予習・復習が求められ、双方向多方向型の質疑や議論、実習など、教育効果の高い方式が巧みに取り入れられている。弁護士や裁判官などの実務家教員と研修者教員が指導に当たり、理論と実務をバランスよく学べるカリキュラムが組まれている。法科大学院が目指しているのは、司法試験の合格ではなく、その先になる法曹の養成にほかならない。


法科大学院は少人数教育を基本としているが、法律問題の答えを教えているわけではない。多様な法律問題に対処できうる力を養う教育を実践し、学生には自ら積極的に授業参加することが求められる。演習授業では、事前に課題が示され、その予習を行った上で授業に臨むことになる。授業では、予習を前提にして次々に学生に質問がなされ、事案をどのように法的にとらえるべきか、法をどのように解釈して適用するべきか、学生と教員が一体となり探っていく。法律問題に唯一の正解はないと言えるので、勉強を進めていく上で、答えを単純に覚えればよいと誤解して勉強につくと、大きな失敗につながる。


司法試験は、法科大学院で養った力が一定水準に達しているかどうかを客観的に計ることを目的にしている。したがって、司法試験の試験問題は法科大学院教育に基づいたものとされ、法科大学院でしっかり学べば合格ラインに達することが前提に作問されている。

法科大学院での学び方のコツ 十二箇条

  1. 第一条予習と復習をし、授業には積極的に参加すること
  2. 第二条「急がば回れ」の精神に徹すること!資料・文献などは手間がかかっても自分で探すこと
  3. 第三条法律事案解決に向けて自分なりの意見を持てるようにすること
  4. 第四条解決策には多様なものがあることを理解しておくこと
  5. 第五条議論を大切にすること。議論を通して自分の考えを高めること、新しい知識を吸収しようとすること
  6. 第六条法律問題(判例など)だけでなく、社会で生起している諸問題にも興味を持つこと
  7. 第七条判例や学説を理解することと、丸暗記することは異なること
  8. 第八条実務に偏ることなく法理論もしっかり理解すること
  9. 第九条法制度の主旨、条文の求めていることをしっかり捉えられるようになること
  10. 第十条司法試験との関連性が薄く見える、実務基礎科目や基礎法学・隣接科目を侮らないこと
  11. 第十一条司法試験合格後となる、法曹としての実力養成を目的とすること
  12. 第十二条受験テクニックで司法試験を突破しようと思わないこと
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