「なりたい」がかなう大学・短大特集

医療関連・健康分野ガイド

より良い医療サービスの提供を目指す、看護や検査、リハビリの医療専門職によるチーム医療を実践。人間の生命と健康を支える専門家をめざせる

医療技術が高度化し、医療の専門分化が進む中、医療現場では医療従事者全員がそれぞれの専門性を尊重し合いながら、より良い医療サービスの提供を目指す「チーム医療」が主流になってきている。各専門職がばらばらに医療やケアを行うのではなく、医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、理学療法士などが互いに連携し合い、患者主体の総合的な医療を実践しようという考え方だ。
その中で、看護師を養成する「看護学」は、人が直面する体の問題に手を差し伸べられるように、専門知識とスキルを身につけ、臨床の現場で適切なケアを行える看護職の養成を目的にしている。看護学で学ぶ基礎分野は幅広く、人間の体内で起こる仕組みを学ぶ「解剖生理学」、体内の化学的な反応を知る「生化学」、遺伝と病気との関係を学ぶ「遺伝学」、さまざまな病気の概要を学ぶ「疾患学」をはじめ、社会福祉や医療に関係する法律なども学ぶ。さらに、成人看護、老年看護、小児看護、母性看護、精神看護など、看護する相手に合わせた看護を理解する。
「医療技術学」はチーム医療の中で、医療機器を用いた臨床検査技術の研究開発を担う学問分野。臨床検査技術を学びながら、「臨床検査力」も磨いていく。臨床検査には、細胞や血液を調べ、病気の種類や患者の抵抗力を把握する検査をはじめ、血液や尿の中の細菌やウイルスを調べる検査、がん細胞などを調べる検査などがある。そのほかレントゲン撮影や、先端技術を駆使したCT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴断層撮影)などもあり、いずれも医療に欠かせない大切な役割を担っている。これらの検査は専門性が高いことから、従事者には国家資格・臨床検査技師の取得が義務付けられており、医療技術学を学べる臨床検査技師養成課程では、国家試験の受験資格を得られる。

医療分野に関連する資格には、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士などがあり、身体的な障害を回復させるためのリハビリテーション医療として広まっている。いずれも国家資格になっている。
理学療法士とは、病気やケガなどにより身体の運動機能に何らかの障害を被った人が、機能回復できるように医療的施術を行う専門職のこと。腕や足の曲げ伸ばしや、立つ、歩くなどの動作機能を取り戻すことを目的にしている。
言語聴覚士は、言語や聴覚、発声に障害を持つ人のコミュニケーション能力を、訓練・指導によって改善することを目的にしている専門職。ことばを発せられずにコミュニケーションが取れなくなる要因は、脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐にわたり、これらを科学的に究明し理解する。機能回復に向けて、回復状況を検査しながらリハビリテーションを進めていく。
作業療法士は、障害のある人が主体的に生活を送れるようになることを目標に、作業活動を通じて心身の諸機能の回復・維持に当たる専門職で、絵画、手芸、木工作、園芸などの作業を通じて、楽しみながら自らの体、頭、心を働かせることで諸機能の回復を促していいく。

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