法科大学院ガイド

法科大学院【基礎理解講座】

7実務基礎科目とは?

実務基礎科目は、「法曹としての責任感・倫理観を養う科目」と「法曹としての専門的技能を身につける科目」の2種類から構成されている。前者は、「法曹倫理」「専門職責任」「弁護士の役割と責任」などの名称で1科目を設けている場合が多い。

後者には「法情報調査」「法文書作成」「要件事実と事実認定の基礎」「ローヤリング」「模擬裁判」「リーガル・クリニック」「エクスターンシップ」などの科目が挙げられる。このうち「法曹倫理」「法情報調査」「要件事実と事実認定の基礎」などを必修科目とし、残りを選択必修科目にする法科大学院が目立つ。


この科目群は、法科大学院のカリキュラムの中でも特に重要だ。

一見すると司法試験と直接関係がなさそうに見えるが、要件事実や事実認定の知識がなければ、司法試験で出題される事例問題から法的論点を拾い出すことができないからだ。「リーガル・クリニック」「エクスターンシップ」は、弁護士事務所などで実務を体験できる研修型授業で、現実の法律相談問題を考えたり、弁護士の仕事内容を見ることができるなど、貴重な経験を積むことができる。

司法修習期間は旧司法試験制度の1年半から1年間に短縮されたが、それはロースクールに実務基礎科目群が取り入れられたことによる。法律実務家になって困らない実践力を実務基礎科目でしっかり養っておきたい。

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